カフェの内装に掛かる費用相場や内訳について

カフェや喫茶店などを賃貸物件で開業する場合、まずは物件選び・内装工事から始める必要があります。メニューなどももちろん大切ですが、カフェの場合は店内の雰囲気やコンセプトも重要な要素と言えるでしょう。こだわったおしゃれな店内だと、インスタグラムなどのSNSで話題になり集客につながる可能性もあります。しかし、初めてカフェを開業する場合には内装工事にどのくらいの費用がかかるのか、どんなふうに進めていけばいいのか等、分からない点も多いと思います。そこで今回は、カフェの内装にかかる相場や内訳、見積もりで注意すべき点について詳しく解説していきます。

内装工事は1坪あたり20万~65万円

カフェ

10坪程度のカフェをオープンする場合、内装工事にかかる費用はおよそ200万~650万円ほどです。1坪あたりだと20万~65万円ですね。なお、坪単価は物件の坪数が少なくなるほど高くなります。内装工事費用に幅があるのは、次のような理由からです。

●物件の種類によって異なる(スケルトンか居抜きか)

●業者によって異なる

●作りたいコンセプトやこだわりポイントがあるかどうか

また、カフェの場合他の飲食店や店舗などに比べて店内の雰囲気やコンセプトが重要になってきます。そのため、内装工事にかかる費用は他業態に比べて高くなる傾向にあり、一般的には初期費用の40~50%が内装工事費用に充てられます。次の章にて詳しく解説します。

カフェ内装費用を左右するポイントとは?

続いて、カフェの内装工事費用を左右する2つのポイントについて解説していきます。物件の種類内装工事にかかる費用は、選んだ物件がスケルトン物件か居抜き物件かで大きく変わります。

●スケルトン物件:天井や壁、床などが全く覆われていない状態。トイレやエアコンなどの設備もない場合が多い

●居抜き物件:前のテナントの設備をそのまま引き継ぐこと。場合によっては什器や食器なども残されていることがある

居抜き物件の場合は大がかりな設備工事などが必要ないため、スケルトン物件に比べて費用が安く済む傾向にあります。

元々カフェだったテナントを引き継ぐ場合だと安く抑えられますが、居抜きで借りた物件が自身の作りたいカフェのイメージに合っていなかった場合などは、スケルトン物件と同じくらいの規模の工事が必要になるため、かえって費用が嵩んでしまうこともあります。

カフェのコンセプト

作りたいカフェのコンセプトやイメージによっても、費用は大きく変わります。たとえばシンプルでモダンな雰囲気のカフェを作りたい場合は、壁や天井などをそのままむき出しにしておくという手もあるかもしれません。そういった場合だと、内装工事費用を大きく抑えることができます。一方で純喫茶のようなレトロな雰囲気にしたい場合だと、内装だけでなくテーブル等の家具や、什器もこだわった方が良いでしょう。もちろん作りたい雰囲気やコンセプトを優先させるのが大切ですが、予算と作りこみ具合、こだわり具合のバランスを見ながらやるのが良いかもしれません。

内装工事の見積もりで注意すべきこと

物件が決まったら、業者に内装工事の見積もりを取ります。ここで注意すべき点について、3つ解説します。

予算は決めておく

カフェの場合、内装工事の予算は準備資金の40~50%が目安と言われています。たとえば準備資金として800万円用意しているのであれば、内装工事の予算は320万円(40%)~400万円(50%)が目安です。内装にいろいろとこだわりたい部分があっても、業者に言われるがまま工事を決めてしまうとどんどん費用が嵩んでしまいます。見積もりを取る前に、まずはどのくらいの予算を内装に割けるのか決めておくことが大切です。

要望はすべて伝える

見積もりを取る最初の段階で、要望はなるべく細かく伝えるようにしておきましょう。見積もりが出てから「やっぱりこれもしたい」「あれも追加したい」となると、費用が嵩んでしまう原因となります。実現したいことと予算を最初にはっきり伝えておくことで、業者側もできること、できないことを提案してくれると思います。

業者によって差があることを理解する

材料費などはどこの業者でも大きく変わりませんが、次の費用は業者によって差が出る場合があります。

●施工費

●交通費

●資材搬入費

●廃材処分費

●諸経費

不当に高い料金を提示してくる業者もあるので、事前に相見積もりを取って相場を把握しておくことが大切です。

カフェの内装費用は売上で回収できる?

カフェ

カフェの内装費用が売上で回収できるかどうかは、開店後の集客具合や売上に左右されます。毎月の営業利益は「売上-費用」で計算します。開店前に売上を予測することは難しいですが、周囲のカフェの集客数や客単価などからある程度予想はできます。一般的に、カフェの場合最初の3~5年は初期費用の回収期間と考えることが多いです。売上をたくさん出して利益を上げることで回収期間は短くなります。

内装工事費を抑えるポイント

続いて、内装工事費用をできるだけ抑えるためのポイントを4つ解説します。

居抜き物件の活用

居抜き物件とは、オフィスや店舗物件で前に借りていた入居者がいなくなった後、設備や内装などが残っている状態の物件を指します。特に飲食店に多く、家具や什器、食器類などが残っていることもあります。居抜き物件は大規模な内装工事が必要ないため、工事費用と時間を節約できるというメリットがあります。しかし内装や設備が自身の作りたいコンセプトや雰囲気に一致していない場合、大幅に作り替えることになるため逆に費用がかかってしまうというパターンもあります。

デザインと施工を一括で依頼

内装のデザインと施工を別の会社に依頼するよりも、一括でまとめて請け負ってくれる業者に依頼したほうが費用は安く済みます。壁を作る左官工事や電気工事、空調工事、トイレ等の衛生設備工事等、カフェの開業までには多くの工事が必要になります。別々の会社に依頼すると手間も費用もかかりますが、デザインと施工を一括で請け負ってくれる業者を探すことでコストダウンが見込めます。

相見積もりを取る

内装工事の見積もりを取る場合は、一社だけでなく複数の業者に依頼するようにしましょう。複数の見積もりを比べることによって、費用の相場も分かります。業者によっては不当に高い料金を提示してくることもあるため、注意が必要です。見積もりの内容をよく確認し、施工内容や材料等が詳細に記載されているかどうかチェックしておきましょう。

前テナントの残置物を活用

居抜き物件を賃貸した場合は、前の入居者が使っていたものが残されていることがあります。たとえば厨房機器などが残っていれば、活用することで費用の節約になります。ただしあまりにも古すぎたり、保証期間が切れているものだと逆に費用が嵩んでしまうこともあります。前入居者が残していったものを活用する際は、使えるかどうか事前によく確認するようにしてください。

内装工事以外にかかる初期費用

カフェの開業までには、内装工事以外にも次のような費用がかかります。

●物件取得費

●設備工事費

●備品、什器、消耗品

●宣伝広告費

備品や什器に関しては、中古品やリースを活用することで安く抑えられます。宣伝広告費に関しても、SNSなどを上手く運用すればそれほど費用はかからないでしょう。カフェの開業に必要な初期費用は、約600万~900万円程度と言われています。

まとめ

カフェ

今回は、カフェ開業前の内装工事にかかる費用や相場、工事費用を抑えるポイントについて詳しく解説しました。カフェは室内のコンセプトや雰囲気などがとても重要なため、初期費用の40~50%が内装工事費用を占めるのが一般的です。しかし居抜き物件を活用したり、相見積もりを取ることによって費用を安く抑えたりすることが可能です。カフェの開業や内装工事に興味のある方は、ぜひ本記事を参考にしてみてくださいね。